山梨学院大学で講義を受け持つようになって10年目です。
当初は「ものづくり経営論」で始めましたが、内容は「生産マネジメント各論」というべきもので、製造業の工程を13分割して、次のように各工程の概要と、効果的なやり方を解説しました。

    1. オリエンテーション ・ものづくり経営と管理手法の全体像
    2. 製品企画 ・お客様の感動を創造する
    3. 研究開発 ・製品を魅力的に変える技術を創る
    4. 製品設計・企画と技術開発を素材に製品仕様を具体化する
    5. 生産管理 ・需要に合わせて材料と人を配置する
    6. 製造管理 ・設計にそって製品を作る
    7. 品質マネジメント ・お客様要求と製品を照合する
    8. 購買・調達マネジメント ・製造に必要な材料を揃える
    9. 設備マネジメント ・製造に必要な機械、道具を整える
    10. 原価マネジメント ・コストを計算する。値付けする
    11. サプライチェーンマネジメント ・お客様の要望に合わせて部材、製品を移動する
    12. 環境マネジメント ・地球にやさしくものをつくる
    13. 安全マネジメント ・怪我のないようにものをつくる
    14. 生産性/品質の改善活動 ・より良く安くたくさんできるように工夫する
    15. まとめ ・全体最適を目指して

講義を引き受けた2年前に経営工学部門の技術士資格を取得しており、その受験勉強としてまとめていた各プロセスの資料が非常に役立ったのと、東大ものづくり経営研究所の藤本隆弘センター長の著書「生産マネジメント入門」を大いに参照し、引用も多数させてもらいました。

大学講義担当の経験者はご存知のように、1年目は毎週90分用を30回分準備するのが大変です。私の場合は一講義分でパワーポイント35枚から45枚程度になりますが、丸2,3日はかかっていました。会社を辞めてコンサルもさほど忙しくなかったためそれだけの時間がありました。

しかし2年目からはこの準備作業がぐっと楽になるとともに、ここで作成したパワポ資料が、別途依頼された講演や、コンサルでの解説などで、非常に有効に利用することができます。何らかの機会を意識的に作って一時的に負荷をかけることは大事です。皆さんも講演や講師を頼まれたら、ちょっとしんどくても引き受けて資料化しておくと、後々の財産になります。

 

6年目に大学の要請で「技術経営論」に名前が変わりました。他の講義との兼ね合いだと思います。そうはいっても、その頃は現在の会社も設立して軌道に乗り始め、多忙な中で全部作り直す時間的余裕がなく、次のように「技術戦略」と「知的財産」を加えて、その分「原価管理」と「環境・安全」をやや省略して対応しました。

    1. オリエンテーション  ・技術経営と工業管理の全体像
    2. 技術戦略  ・儲かる事業にする
    3. 製品企画  ・お客様の感動を創造する
    4. 研究開発  ・製品を魅力的にする技術を創発する
    5. 製品設計  ・企画と技術を素材に製品仕様を具体化する
    6. 生産管理  ・需要に合わせて材料と人を配置する
    7. 製造管理  ・設計にそって製品を作る
    8. 品質マネジメント  ・お客様要求と製品を照合する
    9. 購買・調達・原価マネジメント  ・製造に必要な材料を揃える
    10. .設備マネジメント  ・製造に必要な機械、道具を整える
    11. サプライチェーンマネジメント  ・お客様の要望に合わせて部材、製品を移動する
    12. 知的財産マネジメント  ・無形の権利を確保する
    13. 環境/安全マネジメント  ・地球にやさしく、怪我なく、ものをつくる
    14. 生産性/品質の改善活動  ・より良く安くたくさんできるように工夫する
    15. まとめ  ・全体最適を目指して

この時はMOT(技術経営)大学院を修了していましたから、新たに加えた項目にはそこで受講した内容を反映しました。折角学習したことを、こうやってしっかり活用する機会がもらえて本当にラッキーだと思います。よく言われますが、講義で聞いて理解したつもりでも、教えようとすると十分理解できていないことに気づくことが良くあります。調べ始めると面白くて何時間ものめりこむことがありますが、研究者の端くれとして知的好奇心が満たされる楽しい時間です。

こうやっていつのまにか10年がたったんですねえ。後期の講義はもっと楽しいのですが、また次の機会に書きたいと思います。