昨日いよいよ1ドルが100円を超えました。
昨年後半からの勢いからして、
いつ超えるかと思っていましたが、
先物オプション取引の関係で
この壁を乗り越えるのにやや時間がかかったようです。
輸出産業は一気に業績を上げていますが、
電機会社は海外生産化が進んでいる分
恩恵は限定的なようです。
私の前職パイオニアも、ほとんどの生産が海外に移り
為替にはほぼ無関係になっているようです。
以前は円安に振れようとすると
海外(特に米国)が反発していたのに、
今回はいやにすんなり進んでいるように思います。
安倍-黒田ラインの徹底した金融方針ということになっていますが、
私は、貿易構造の変化も影響しているように思います。
すなわち、日本が毎年数十兆円もの貿易黒字を積み上げていた頃は
10%の円安で黒字(海外にとっては赤字)が数兆円も膨らんでしまいますが、
ここのところ原発停止のせいもあり、
日本の貿易収支は赤字です。
つまり円安になるほど、短期的には日本の貿易赤字が増える訳です。
中期的には競争力が増加して、
輸出量が増えるでしょうが、それにともなって原材料の輸入も増えます。
そして前述のように多くの生産が海外に移転した結果、
輸出量増加の効果は今や限定的です。
これが海外政府が比較的おおらかに円安を容認している理由に思えて仕方がありません。
何かしないことにはジリ貧なので、
アベノミクスが成功することを祈っていますが、
あと10年せめて5年前の貿易黒字の頃にやっていれば
もっと効果的だったと残念に思います。
もっともその時に実行していたら、
米国から強い反発と対抗措置をくらったのかもしれませんが。