2013年度版ものづくり白書第1章第1節3(2)では、
電気機械の最終製品の低調さに対比して
部品業界の好調さが分析されています。
図113-11を見ると、部品業界の従業員数は
国内でほぼ横ばい、海外では大幅な増加
ここ10年でもやや増加基調となっており、
市場に受け入れられている様子がうかがえます。
●図113-11 電気機械サプライチェーン【部品】の従業者数推移
前回見たように日本電気機器最終製品は
海外でも低下傾向にあることと考え合わせると、
日本メーカーの電気部品はそれ以外の
例えば海外の組立メーカーなどに
購入されていると考えられるのです。
IPhoneの中は日本企業製部品でいっぱい
というのも、この状況の表れでしょう。
また同白書第1章第1節3(3)では、
自動車部品業界での企業規模の違いによる景況の差を分析しています。
図113-15、17、19はそれぞれ自動車部品業界の
ティア1(資本金50億円以上)、ティア2(3億円超50億円未満)、
ティア3(3億円未満)と呼ばれる企業の
従業員数推移を示しています。
●図113-15 自動車サプライチェーン【部品ティア1】の従業者数推移
●図113-17 自動車サプライチェーン【部品ティア2】の従業者数推移
●図113-19 自動車サプライチェーン【部品ティア3】の従業者数推移
歴然としてお分かりのように
いずれも国内顧雍が維持され、
海外従業員数が伸びているのは共通で
規模の大きい企業ほど海外に展開しています。
気が付いたのは、
いずれのグラフでも海外人員がリーマンショック以前の
2007年に一旦減少していることです。
ここに掲載していない設備投資は
2008年から2009年に大きく落ち込んでいるのに、
旺盛な設備投資が続いていた2007年の
従業員減少は何を意味しているのでしょう?
誰か教えてください。