一般にタグチメソッドといえばパラメータ設計をイメージする
品質工学を代表する手法です。
当初は多数の制御因子を直交表で組み合わせて最適化していた田口氏が、
製造や市場で機能を発揮できない事例に何度も遭遇して
そのばらつき原因を敢て組み込んだ実験を設定し、
「毒をもって毒を制す」的な考えを洗練した手法です。
さらにその後、技術が高度化したり仕様が変わる度に
一から最適化をやり直さなくても良いように、
予め入出力関係の理想性も評価できる工夫が加ええられて
現在の形に行き着いています。
理想を追い求めた結果として概念が難解になり、
SN比、感度、基本機能といった聞きなれない単語も初学者の障壁です。
慣れてくれば何でもないのですが、
逐次実験を1次元、直交表を2次元の世界とすると
静特性は3次元、動特性は4次元の世界のように感じる事となり、
初学者の技術的感性に挑戦するような方法です。
多くの手法を調査した中で、ばらつきの評価手法はいくつかあるものの、
ばらつきを減らす定型的な手法は他に見当たりません。
この考えがもっと広く技術者に普及すべきと思うものです。