2013年度版ものづくり白書第1章第2節1(2) では、
主要国・地域における製造業の競争力を比較しています。
競争力の構成要素を6つに分類し、
先進国と比較したチャートが図121-4であり、
アジア諸国と比較したものが図121-5です。
●図121-4 主要国の製造業競争力チャート(欧米)
●図121-5 主要国の製造業競争力チャート(アジア)
これを見ると日本の特徴が非常に際立っています。
①産業基盤は、欧米だけでなく
アジアのシンガポール、台湾に比べても大きく劣っています。
これは電力料金の高さと
イノベ^ーションを促進する法制の不十分が原因のようです。
②産業集積は、全体のトップであり、
よく言われる質量ともに優れた中小企業の存在が原因です。
③技術力は色々言われる中、ダントツの高水準です。
環境も法制も経営も劣る条件で、よくできたものです。
④経営力の低さは情けないものです。
白書では、市場への対応力(つまりマーケティング)と
MBAスクールの質の低さ、産学連携の評価が原因とあります。
いずれも思い当るところ大ですね。
文科省の管轄でしょうか。
⑤労働力も決して高くありません。
労使関係は良いものの、
生産性に対する賃金の高さ、
生産年齢比率の低さなどが劣っています。
⑥グローバル化指標は、これら10か国中最下位です!
半端に大きい国内市場、海に囲まれた地形
心地よい環境に甘んじて
対外的な消極感が数値に現れています。
日本の競争力を上げるには、高い技術力を維持しつつ、
グローバルな考えを持った経営者がいれば良いようです。
そう考えると、日産やユニクロ、日本電産など
海外進出に積極的な経営者の率いる企業は元気があります。
大きな企業であれば、
必ずそのような素養を持った人材がいるように思いますが、
なかなか抜擢が難しいのか。
海外から連れてくる方が抵抗感がないかもしれません。
ちなみにこれらのデータは、
良く見かけるIMDだけでなく
色々なソースから引用されています。
手間がかかってますね。