技術者は汎用の能力を身に着けておく

2020年3月10日エンジニアのキャリアデザイン

技術者は技術者ですから、例え入社1年目でもそれ相応の専門技術を必ず持っています。これが全く無いようなら論外ですので、この先を読む必要はありません。まずは自分の核となる技術を習得してください。

しかし、それで良かれとしている技術者は、今後のキャリアに不安を残します。転職独立する時はもちろんのこと、同一企業内でキャリアを積む場合でも、固有技術のスキルアップと並行して、汎用的な知識、スキルを習得しておくことを勧めます。昔は傘張りや豆腐作りなど一つの専門性で一生生きてゆくことができました。技術の進歩、社会進歩の速度が今よりもずっと遅かったのです。しかし業界にもよりますが、現在は技術がどんどん新しく、複雑に変化、進展してゆくために、10年毎に新たな学びが必要と言われます。

本稿で扱う汎用スキルとは、技術分野に関わらずどの分野でも通用する能力という意味ですから、時代が変化しても比較的長く使うことができます。たとえば次のようなものです。

  • 英語:産業の国際化は止まりません。今後自動翻訳/通訳ツールが進化するにしても、海外と直接コミュニケーションできることには依然大きな価値があります。使わないと進歩しないので、海外駐在や頻繁な出張機会があれば最も良いのですが、近年はITを使って活きた英語を学習するサービスも普及しています。またこれからは英語でなく中国語が有効なシーンも増えてくるでしょう。
  • プレゼン力:考えている事が正しいのは大前提で、それを上手に伝えることはそれ以上に重要です。プレゼン資料の作り方のイロハは、参考書などで習得し、ビデオ撮影するなどして改善していきましょう。
  • アイデア創出力、企画力:どんな業務でもちょっとした工夫、改善が大きな差を生み出します。今後は今以上に新しいアイデアが求められるでしょう。活動分野が変わっても通用する発想方法を習得しておけば、異動、転職が怖くありません。
  • ロバスト設計力:設計に固有技術が必要なのは当然ですが、効率よく「良い」設計をするためには、仕様設定、製品設計の方法論を身に着けておくと心強いものです。お客様要求を製品仕様に反映するQFD(品質機能展開)、安定した特性を設計で実現するタグチメソッドなどがそれに相当します。製品が何であれ、外乱/内乱に対して安定的な設計法は価値があります。
  • ITツール:事務や設計、生産の効率を挙げる各種のITシステムで、典型的なのはCADやCAEです。今後も急激に進化してゆくと思われ、他者よりも早く上手に使いこなすことで差をつけることが可能になります。
  • 技術経営:技術者のキャリアが管理職、経営職に進んでいくと、どうしても経営のスキルが重要になります。戦略、マーケティング、テーマ管理など以外に、組織、知財、財務、プロジェクトマネジメントなどの体系は、専門分野が変わっても役立つでしょう。

これら汎用スキルの知識体系はあなたの企業内教育で学ぶ機会もあるかもしれませんが、近年は大学の社会人コース、社外教育機関、書籍、教材、通信教育、Web講座など多彩な学習手段が用意されています。自分に適した方法で学習しましょう。

私は53歳で企業から独立した後、2つの大学院を修了し、1000冊の書籍を購入しましたから、その費用は直接支払った分だけでも500万円を超えていますが、その効果はこれからも一生続き、この投資は数倍から数十倍になって戻ってくると思われます。仮にリターンがなかったとしても社会に出てからの自律的な学びは、本当に楽しく、かつ実になるものでした。私の後悔は、もっと早く30代、40代に自分へ教育投資していたら、このリターンはさらに長期に渡って享受できただろうという点です。

専門技術を磨くことも大事で尊いものですが、どこでキャリアが変化して培ってきた固有技術が一晩で役に立たなくなる事態にも備えて、汎用技術も鍛えておきましょう。

技術者のキャリアデザインをブログテーマに選んだ訳

2019年11月1日エンジニアのキャリアデザイン

元々ものづくりドットコムとの連携で、製造業の課題解決をテーマにブログを書いていたのですが、アメブロからWordPressへの移行に手間取り、5年ぶりに今再開したわけですが、テーマを若干変えて「技術者(エンジニア)のキャリアデザイン」としました。

理由は大きく三つあります。第一に私も63歳となり、自分がどう成長するかというステージから、これまでの自分の歩みを後進に伝えるステージに差し掛かったと判断したこと。

第二に50歳前後から10年かけて、技術士(経営工学部門、総合技術監理部門)、技術経営修士(専門職)、博士(工学)と、技術系の三大国家資格を取得し、キャリアデザインの大きな要素である資格に対して、比較しつつ説明できること。

第三は、ものづくりドットコムのセミナー案内機能が好評で、周辺オペレーションを見ているうちに、技術者の教育が極めて重要でありながら、確固とした体系がなく、どうやら各社各様に教育カリキュラムを工夫しているものの、成果を出すのに非常に苦労している様子が分かってきたことです。

私は製造企業に30年勤務して、多少は技術者教育にも関係しましたが、決してその道一筋に歩んだわけではありませんが、上記三つの理由からとりあえず技術者キャリアに関して、多少の発言が許されるだろうと思います。

そして調べてみると、技術者の歩むべき進路に関して、数冊の書籍はあるものの、その重要性と比較して異様に発信が少ないということも分かりました。

是非技術者の皆さんからの意見を反映させて、書き進めたいと思いますので、是非気軽に声を寄せてください。

ものづくり成長戦略

2013年8月11日ものづくり革新

先日のものづくり改善ネットワーク設立交流会で紹介された
藤本先生と柴田先生の新刊「ものづくり成長戦略」が
昨日届いたので、早速読んでみた。

講演の内容と重複するところも多いが、
群馬、野洲、米沢と各地域活動の詳細が良く理解できた。

ものづくりインストラクターは需要も供給もあるのだが
それだけでは話は進まない。
忙しい関係者を動かすためには、大きなエネルギーが必要で
誰かしゃかりきになって動く人間が必要だ。

それがいたのが前記3地域だったらしい。

ものづくり革新ナビも同じだ。
多くのアクセスがあり、
専門家からも感謝されているが、
ナビゲーターが力を抜いたらたちまち止まってしまう。

このネットワークと 何か協力できることがあればよいが。
まずはネットワーク会員に入会か。

ものづくり成長戦略 「産・金・官・学」の地域連携が日本を変える (光文社新書)/藤本 隆宏[編著]
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