ものづくり白書第1章第2節では、雇用、労働の現状を分析しています。
図121-1を見ると、2002年から2009年にかけて平成景気で低下していた失業率が、
リーマンショックで一時的に1ポイント以上悪化し、
その後改善されていることが分かります。
●図121-1 完全失業率および有効求人倍率の推移(季節調整値)
当然、有効求人倍率は失業率と逆の動きをするわけですが、
図121-4でその内訳を見ると、
専門的・技術的職業が平均の1.5倍以上であるのに対し、
生産工程、労務すなわち現場作業の求人は07年まで平均程度、
その後は平均より低く推移しています。
●図121-4 職業別有効求人倍率の推移
これは09年から進んだ円高で、
作業の現場がそれまで以上に海外に流れたことと無縁ではないでしょう。
ここのところの円ドル為替相場は、
ちょうど2009年当時と同じ水準に戻っていますが、
果たして現場も戻ってくるのか、これるのか、
興味が深まります。