製造業教育関係者からの相談

2019年11月16日エンジニアのキャリアデザイン

先週技術教育に関心のある方々向けに「技術者を育てる現代版教育体系の作り方」というWebセミナーを企画したところ、40名もの応募があり終了後のアンケートでも予想を超える好評で恐縮しました。セミナーの中でも「技術者教育は他の企業内教育と比較して難しい」というお話をしましたが、それを実感している人が非常に多いことが改めて分かります。
さらに30分の教育相談を提示したところ、数社の方にご希望いただきました。
共通する課題がありそうでしたので、(当然ですが)実名は避けてポイントを紹介します。

小企業なので技術教育の仕組みが全くない

40名ほどの規模でしたので、当然しっかりした教育の仕組みが整っている企業はほとんどないと思われます。しかしそれで良いわけではなく、とにかく一歩目を踏み出すことが大事です。特に一人では心理的にもキツいので、初めに社長に声をかけて、最低二人の「技術教育委員会」を作ります。
次に第一回技術教育委員会では、社長にも入ってもらって「全社教育方針」を作ります。そんなに独自性がなくても良いでしょう。「当社は人材教育をもって競争力ある製品の設計および生産を実現する」とか、「当社の成長に人材の育成は必要不可欠であり、これに注力する」とか、ある意味当たり前の内容でも良いと思います。間違っても「すべてに優先して人材を教育する」など、実行できない方針を掲げると、かえってまずいことになります。
ついでに現実的な教育予算枠を設定しましょう。教育費は多いほど効果も上がるでしょうが、教育に時間をかけるほど通常業務時間が減るというジレンマがありますし、予算を掛けるにしても限度があります。上場企業+アルファの経理勘定科目で人的費用に占める教育費の比率は平均0.3%程度というデータがあります。人的費用に2億円払っている企業なら、60万円ということになります。中小企業でも何とか捻出できる金額ではないでしょうか?とにかく60万円を枠として社長から約束してもらい、これをいかに効果的に使うかを委員会で考えます。
委員会も隔月1時間で良いので、1年分の日程を決めてしまいましょう。年間6時間くらいなら何とかなります。何とかしましょう。そこでも無理な計画は立てずに、現状の整理から初めて、弱点を補強するか、強みを伸ばすか、PDCAを回しながら少しずつ進化させていきましょう。
とはいえ40名で60万円は、一流の講師を呼んだりするとあっというまに使い切ってしまいます。そこは通信教育、映像教材、Web講座などを組み込むことで大幅に費用を節減することが可能になります。まだまだ開発途上ですが、注目したいですね。

個人単位の設計業務で一体感がない

機械設計の受託会社ですが、個人単位の業務のため、発注元との関係が強くなって退社することも多いところが課題でした。退職を防ぐには、個人事業では実現できない何らかのメリットを提示する必要があります。例えば、前項の技術教育委員を募って、複数人で計画を立ててもらう、設計生産性向上プロジェクトを立ち上げてメンバー会議を定期的に実施するなどが考え付きます。
そして基礎的な設計法の教育しか実施していなかったようなので、最先端設計ツールや、設計している製造設備や最終製品など応用技術の先端講座教育も提案しました。こちらも有名講師を呼んだのでは費用がかさみますから、Webの活用は非常に効果的だと思います。

皆さんのお話を聞いて、技術者教育の必要性をひしひしと感じ、ここは私も頑張らねばと思いを新たにしました。

ものづくり改善ネットワーク記念講演会(その3)

2013年8月2日ものづくり革新

アベノミクス成長戦略について、
規制緩和に関する議論のみ盛んであるが、
これは車のブレーキを外すだけの話である。

成長するためにはエンジンを増強し、アクセルを踏む必要がある。
その方法は次の二つになる。

①生産性の向上という現場対応
②有効需要の創出

生産性向上にあたり、同業他社のベンチマークは、負けないための手段として有効だが、
勝つためには他業界のベンチマークで同業他社がやっていないことをやる必要がある。

ここからは私の意見。
規制緩和は当たり前であり、ここで躓いているようでは日本の将来はない。
しかし既得権の解放を待つことなく
藤本先生が提起する①②を真剣に進める必要があります。

それなりに改善を進めている現場であっても
トヨタに比べれば、正味労働時間比率は一桁違うとも言われ
まだまだ「伸び代」があるわけです。

ものづくりドットコムも利用して
生産性の向上、市場開拓を実現してほしいものです。

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ものづくり改善ネットワーク記念講演会(その2)

2013年8月1日ものづくり革新

ここ20年製造業苦難の時代が続いているが、
これは特殊な時代だったと思わなくてはいけない。

それまでの東西冷戦時代の日本の競合は欧米だった。
突然ベルリンの壁が崩壊し、
隣国に10億人の低賃金資本主義国家が生まれた。
賃金が20分の1だと生産性改善は効果を示さない。

しかしその後20年で賃金格差は5:1になった。
この差は生産性改善で十分対処できる。

むしろ中国の成長により、新たな市場の拡大と輸出競争力の低下が進み、
日本の現場力の相対的力が上昇している。

この状況を顧みず、全ての現場を海外に移した企業は
窮地に陥っている。

他国は移民政策で労働力を確保してきたが、
日本は地理的な関係でそれができず、
自国民を大事にするしかなかった。

ここからは自分の意見です。
日本の成長は明らかに1990年から停滞しているわけですが、
単にバブル崩壊とかたず、けずに
中国の資本主義化と結び付けることに気づきませんでした。

1945年の終戦と1990年のバブル崩壊、
45年のタイムシフト経営が可能かもしれません。

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ものづくり改善ネットワーク記念講演会(その1)

2013年7月31日ものづくり革新

昨日参加したものづくり改善ネットワーク(MKN)の記念講演会ですが、
講師である東大藤本教授ならびに質疑応答で
貴重な話、主張がたくさんありましたので、
何回かに分けて記録しておきたいと思います。

しかしながら、本文は藤本先生らの確認を取っているわけではありませんので、
誤解、曲解が混じる危険性があります。
その点を斟酌の上参考にしていただくとともに、
あらためるべきはさっさと改めますので、
是非気軽にご意見を下さい。

以前より、ものづくり経営研究センターにおける「ものづくり」とは
付加価値情報の転写、流れであると定義しているわけですが、
「なぜ今就業者数の17%でしかない「ものづくり」なのか」という疑問に対して、
「サービス業への応用が可能だから」という意見でした。
例えばサービス業の典型であるスーパーマーケットでは、
売り場が極めて効率的に配置されている一方、
バックヤードではぐちゃぐちゃになっているケースがあり、
これは製造業の生産ラインとその前後のサプライチェーンの
関係にもありがちな例です。

トヨタなど超一流の現場を除けば、
必ず弱点、ボトルネックが存在し、
改善の余地があると言えます。

ここからは私の意見も混じりますが、
製造業の生産性が世界一流なのに対して、
日本サービス業の生産性は、
米国の半分とも言われます。

ずっと赤字続きだった米国政府の赤字が
クリントン時代にデミングの指導で一瞬黒字になるなど
改善の効果は決して製造業だけに限定されません。

今先進国に必要なのはサービス業の生産性向上である、と
ドラッガーも言い切っています。

ものづくりの改善プロセスを
何とかサービス業にも活用して
日本の成長につなげてほしいものです。

2年前に創業する時に
「ものづくり革新研究所」ではなく
「産業革新研究所」とした理由は
実はその辺を考えての事だったりします。

現時点でSEOを考えれば、
社名を「ものづくり革新研究所」もしくは
「ものづくり革新ドットコム」にしておくんだったなあ、と
思う事もあります。

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