ものづくり改善ネットワーク記念講演会(その2)

2013年8月1日ものづくり革新

ここ20年製造業苦難の時代が続いているが、
これは特殊な時代だったと思わなくてはいけない。

それまでの東西冷戦時代の日本の競合は欧米だった。
突然ベルリンの壁が崩壊し、
隣国に10億人の低賃金資本主義国家が生まれた。
賃金が20分の1だと生産性改善は効果を示さない。

しかしその後20年で賃金格差は5:1になった。
この差は生産性改善で十分対処できる。

むしろ中国の成長により、新たな市場の拡大と輸出競争力の低下が進み、
日本の現場力の相対的力が上昇している。

この状況を顧みず、全ての現場を海外に移した企業は
窮地に陥っている。

他国は移民政策で労働力を確保してきたが、
日本は地理的な関係でそれができず、
自国民を大事にするしかなかった。

ここからは自分の意見です。
日本の成長は明らかに1990年から停滞しているわけですが、
単にバブル崩壊とかたず、けずに
中国の資本主義化と結び付けることに気づきませんでした。

1945年の終戦と1990年のバブル崩壊、
45年のタイムシフト経営が可能かもしれません。

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ものづくり改善ネットワーク記念講演会(その1)

2013年7月31日ものづくり革新

昨日参加したものづくり改善ネットワーク(MKN)の記念講演会ですが、
講師である東大藤本教授ならびに質疑応答で
貴重な話、主張がたくさんありましたので、
何回かに分けて記録しておきたいと思います。

しかしながら、本文は藤本先生らの確認を取っているわけではありませんので、
誤解、曲解が混じる危険性があります。
その点を斟酌の上参考にしていただくとともに、
あらためるべきはさっさと改めますので、
是非気軽にご意見を下さい。

以前より、ものづくり経営研究センターにおける「ものづくり」とは
付加価値情報の転写、流れであると定義しているわけですが、
「なぜ今就業者数の17%でしかない「ものづくり」なのか」という疑問に対して、
「サービス業への応用が可能だから」という意見でした。
例えばサービス業の典型であるスーパーマーケットでは、
売り場が極めて効率的に配置されている一方、
バックヤードではぐちゃぐちゃになっているケースがあり、
これは製造業の生産ラインとその前後のサプライチェーンの
関係にもありがちな例です。

トヨタなど超一流の現場を除けば、
必ず弱点、ボトルネックが存在し、
改善の余地があると言えます。

ここからは私の意見も混じりますが、
製造業の生産性が世界一流なのに対して、
日本サービス業の生産性は、
米国の半分とも言われます。

ずっと赤字続きだった米国政府の赤字が
クリントン時代にデミングの指導で一瞬黒字になるなど
改善の効果は決して製造業だけに限定されません。

今先進国に必要なのはサービス業の生産性向上である、と
ドラッガーも言い切っています。

ものづくりの改善プロセスを
何とかサービス業にも活用して
日本の成長につなげてほしいものです。

2年前に創業する時に
「ものづくり革新研究所」ではなく
「産業革新研究所」とした理由は
実はその辺を考えての事だったりします。

現時点でSEOを考えれば、
社名を「ものづくり革新研究所」もしくは
「ものづくり革新ドットコム」にしておくんだったなあ、と
思う事もあります。

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素材メーカー競争力の背景(2013年度版 第1章第2節3(3))

2013年7月29日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節3(3)では
完成品メーカーよりも素材、部品メーカーの方に
好業績企業が多い点について
素材メーカー競争力の背景が解説されています。

その理由として、日本の完成品メーカーに
鍛えられてきたと説明されています。
図123-7を見ると、確かに他国と比べて
その傾向が出ています。

●図123-7【自動車】の取引先完成品メーカー特徴
【自動車】の取引先完成品メーカー特徴【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

さらにここでは示しませんが、
電機産業よりも自動車産業の方が
この傾向は顕著です。

今後海外に素材を販売する場合は、
この状況は通用せず、
価格競争に巻き込まれる危険性が白書では指摘されています。

一方3月にものづくり革新ナビ1周年記念で講演していただいた
敬愛大学の岸本先生によれば、
アジアに展開した日本の中小企業は、
顧客製品全体に対するコーディネートが競争力になっているといいます。

競合の強み=安かろう悪かろうと同じ土俵上で戦うのではなく、
あくまで自社の強みを活かした戦略にこだわりたいものです。

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製品寿命の短期化(2013年度版 第1章第2節3(2))

2013年7月25日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節3(2)では
デジタル化・モジュール化による製品寿命の短期化が説明されています。

皆さんご存知のように、
日本の電機業界は大手企業が苦戦しています。
他の製品分野に比べて電気製品は
機能がICの中に設計されてしまうため、
部品さえ購入してしまえば
比較的容易にほどほどの製品が実現できてしまいます。

下の図123-5は企業アンケートの結果ですが、
比較的グローバル競争力があると言われる
自動車、産業用機械に比べて、
電気機械はモデルチェンジの間隔が
極めて短くなっています。

●図123-5 製品の特徴と(※)寿命変化の関係(※次回モデルチェンジまでの平均年数)
製品の特徴と寿命変化の関係_次回モデルチェンジまでの平均年数【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

私が学生の頃は
オーディオ製品が1年に2回モデルチェンジしていた時代で、
その厳しい環境で欧米のメーカーを置き去りにしたものです。

今はそのスピードに日本が付いていけなくなっています。
品質工学やプロジェクトマネジメントなどを効果的に使用し、
開発の生産性を向上する必要があります。

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企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」(2013年度版 第1章第2節3)

2013年7月19日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節3では、
企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」の必要性を解説しています。

図123-2を見ると、日本企業の世界シェアは
自動車では3割程度を維持しているの対し、
テレビでは、新技術が出る時には高いシェアが
市場拡大に伴って下がっていきます。

●図123-2 市場規模とマーケットシェア
市場規模とマーケットシェア【自動車・テレビ】_【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

これを何とかしましょうというのが白書の提案ですが、
具体策には乏しいようです。

少なくとも技術があれば売れる、から
新興国がすぐに追いついてくる、ことを前提に
何らかの戦略を持ちながら新技術を展開していく必要性が高まっています。

たとえば特許、アライアンス、次の技術ロードマップなどでしょうか。

以前見たように開発費の回収効率が下がっていますので、
それらの日本としてのビジネスモデルを確立しないと
研究費が枯渇して、
新技術が出るのも新興国という状況になりかねません。

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設備投資の促進に向けた支援策(2013年度版 第1章第2節2 コラムP82)

2013年7月15日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2P82のコラムでは、
設備投資の促進に向けた支援策が説明されています。

前節で解説されたように、
国内の設備投資の低迷および旧式化が
日本の競争力を低下させているとい判断で、
政府はH24年度補正予算で
「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等
投資促進事業費補助金(予算総額は2,000億円)」を
措置し、605件が採択されました。

これによる補助金は1280億円ですから
使いきれなかったことになります。

内容を精査していないため、
その有効性を確信することはできませんが、
それなりの波及効果が期待されます。

しかし超赤字国家予算の中での政策ですから
将来の税収が相当の確率で見込まれないと
財政破たんへの確実な一歩となります。

収入源への投資は、
無駄な道路建設よりはかなりましであり、
できれば新興国への輸出競争力が向上する
補助金となって欲しいものです。

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設備優位性の低下(2013年度版 第1章第2節2(5))

2013年7月12日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2(5)では、
日本の設備優位性の低下に関して説明しています。

前にも書きましたが、近年の日本製造企業の設備は
国内よりも海外に対してより多く投資されてきています。

図122-24は日米韓の民間設備投資額を比較しています。

●図122-24 各国の民間設備投資の推移
各国の民間設備投資の推移【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

90年との比較で、韓国は5倍近く、
米国でも2.37倍となっているの対し
日本は0.72倍で、
山谷もなく、ほぼ一様に下落しています。

2013年度版ものづくり白書をメディアが取り上げた際には、
この部分を最も焦点としていたようで、
だから低迷している、もっと増やそう、
という論調だったように聞こえました。

日経ビジネス最新号でも
日本の優秀な人材が海外に流出しているという記事がありました。

減退していく年齢構造はいかんともしがたいですが、
人材や投資をぐっと引き寄せるような
魅力的な産業/製品を提示したいものです。

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「一般社団法人ものづくり改善ネットワーク」が設立されました

2013年7月11日製造業ニュース

東大ものづくり経営研究センターの藤本所長が、新しい法人を設立しました。
まだ構想段階の事業も多いようですが、
ものづくり産業を盛り上げようとする気合がムンムン感じられます。
まずは記念講演会に参加してみることにします。
http://mkn.or.jp/opening.html

7月29日の午前は山梨学院大学のテスト日ですが、
終了後急いで駆けつけたいと思います。

会場でお会いしましょう。

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不足する技術系人材(2013年度版 第1章第2節2(3))

2013年7月11日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書の第1章第2節2(3)では、
技術系人材が不足する現状を解説しています。

ものづくり産業が成長しているという論調は少ないわけですが、
図122-9を見ると、技術系人材を十分確保できているのは6.7%で、
約半数の企業が、必要な技術者を確保できていないと考えています。

●図122-9 技術系人材の確保状況
技術系人材の確保状況【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

回答数は3823と相当なものですが、
訊ねる部署によって回答は大きく変わるように思います。

少しでも完成度を上げたい技術担当の部課長に聞けば、
いくらでも欲しいところでしょうし、
技術者をコストと考える経理部門、経営者であれば
あれだけいるのだから(人件費がかかっているから)
十分だろうと判断しそうです。

具体的な業務にもよりますが、
効率的なツールとプロセスを用意することで
少ない技術者と大きな成果を両立させたいものです。

近年の傾向としては、QFD、TRIZ、タグチメソッド+3DCAEが
その最右翼とされています。
http://www.monodukuri.com/jirei/article/8

また、不足している技術者の分野としては、
図122-21のように圧倒的に機械工学が多いようです。

●図122-21 人材確保しにくい技術分野
人材確保しにくい技術分野【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

ソフトウェア(情報工学)が多いと予想していましたが、
機械の15分の1とはどんなもんでしょう?
回答した1666社の業種に偏りがあるかもしれません。

私の大学時代の応用物理や
技術士の専門である経営工学は、名前すら現れず
ムムム…

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特許権の活用(2013年度版 第1章第2節2(2))

2013年7月10日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2(2)では、
特許を通じた技術漏洩と特許権の活用状況が説明されています。

図122-17を見ると、
保有技術のライセンス供与に関して
日本企業のスタンスが特有のものであることが分かります。

●図122-17 ライセンス供与に対するスタンス
ライセンス供与に対するスタンス【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

欧米やアジアの企業はライセンス供与に積極的ですが
日本企業の8割近くは売り込み活動をしていません。

これが戦略的にノウハウを隠匿する意思によるなら良いのですが、
単なる無策の結果であれば危険な兆候です。

折角高度な自社技術を持っているのであれば、
例えば妹尾先生が名付けた「逆ハンバーガーモデル」で
ごく一部を除いてライセンスを広く供与し、
競争を避けて高い利益率を確保しながら
他社の力を利用して市場拡大を図るなど
戦略的に特許を利用したいものです。

また図122-18では3地域3様のスタンスが見えます。

●図122-18 侵害品を発見した際の対応
侵害品を発見した際の対応【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

特許を侵害された時に、
欧米企業は訴訟に持ち込むかライセンス交渉する比率が比較的高く
アジア系は基本的に穏便に済ませようとする交渉が中心です。
そして日本企業は、訴訟に持ち込むケースが極端に低く、
「何もしない」企業すらあります。

交渉が苦手な国民性と言ってしまえばそれまでですが、
折角の技術を活かせないのは
こんなところにも要因がありそうです。

ものづくり革新ナビには外国特許の専門家もいますから
相談して見てはどうでしょう?
http://www.monodukuri.com/specialists/profile/34

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