製品寿命の短期化(2013年度版 第1章第2節3(2))

2013年7月25日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節3(2)では
デジタル化・モジュール化による製品寿命の短期化が説明されています。

皆さんご存知のように、
日本の電機業界は大手企業が苦戦しています。
他の製品分野に比べて電気製品は
機能がICの中に設計されてしまうため、
部品さえ購入してしまえば
比較的容易にほどほどの製品が実現できてしまいます。

下の図123-5は企業アンケートの結果ですが、
比較的グローバル競争力があると言われる
自動車、産業用機械に比べて、
電気機械はモデルチェンジの間隔が
極めて短くなっています。

●図123-5 製品の特徴と(※)寿命変化の関係(※次回モデルチェンジまでの平均年数)
製品の特徴と寿命変化の関係_次回モデルチェンジまでの平均年数【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

私が学生の頃は
オーディオ製品が1年に2回モデルチェンジしていた時代で、
その厳しい環境で欧米のメーカーを置き去りにしたものです。

今はそのスピードに日本が付いていけなくなっています。
品質工学やプロジェクトマネジメントなどを効果的に使用し、
開発の生産性を向上する必要があります。

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企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」(2013年度版 第1章第2節3)

2013年7月19日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節3では、
企業が自らの競争力を発揮する「ビジネスモデルの変革」の必要性を解説しています。

図123-2を見ると、日本企業の世界シェアは
自動車では3割程度を維持しているの対し、
テレビでは、新技術が出る時には高いシェアが
市場拡大に伴って下がっていきます。

●図123-2 市場規模とマーケットシェア
市場規模とマーケットシェア【自動車・テレビ】_【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

これを何とかしましょうというのが白書の提案ですが、
具体策には乏しいようです。

少なくとも技術があれば売れる、から
新興国がすぐに追いついてくる、ことを前提に
何らかの戦略を持ちながら新技術を展開していく必要性が高まっています。

たとえば特許、アライアンス、次の技術ロードマップなどでしょうか。

以前見たように開発費の回収効率が下がっていますので、
それらの日本としてのビジネスモデルを確立しないと
研究費が枯渇して、
新技術が出るのも新興国という状況になりかねません。

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設備投資の促進に向けた支援策(2013年度版 第1章第2節2 コラムP82)

2013年7月15日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2P82のコラムでは、
設備投資の促進に向けた支援策が説明されています。

前節で解説されたように、
国内の設備投資の低迷および旧式化が
日本の競争力を低下させているとい判断で、
政府はH24年度補正予算で
「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等
投資促進事業費補助金(予算総額は2,000億円)」を
措置し、605件が採択されました。

これによる補助金は1280億円ですから
使いきれなかったことになります。

内容を精査していないため、
その有効性を確信することはできませんが、
それなりの波及効果が期待されます。

しかし超赤字国家予算の中での政策ですから
将来の税収が相当の確率で見込まれないと
財政破たんへの確実な一歩となります。

収入源への投資は、
無駄な道路建設よりはかなりましであり、
できれば新興国への輸出競争力が向上する
補助金となって欲しいものです。

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設備優位性の低下(2013年度版 第1章第2節2(5))

2013年7月12日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2(5)では、
日本の設備優位性の低下に関して説明しています。

前にも書きましたが、近年の日本製造企業の設備は
国内よりも海外に対してより多く投資されてきています。

図122-24は日米韓の民間設備投資額を比較しています。

●図122-24 各国の民間設備投資の推移
各国の民間設備投資の推移【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

90年との比較で、韓国は5倍近く、
米国でも2.37倍となっているの対し
日本は0.72倍で、
山谷もなく、ほぼ一様に下落しています。

2013年度版ものづくり白書をメディアが取り上げた際には、
この部分を最も焦点としていたようで、
だから低迷している、もっと増やそう、
という論調だったように聞こえました。

日経ビジネス最新号でも
日本の優秀な人材が海外に流出しているという記事がありました。

減退していく年齢構造はいかんともしがたいですが、
人材や投資をぐっと引き寄せるような
魅力的な産業/製品を提示したいものです。

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「一般社団法人ものづくり改善ネットワーク」が設立されました

2013年7月11日製造業ニュース

東大ものづくり経営研究センターの藤本所長が、新しい法人を設立しました。
まだ構想段階の事業も多いようですが、
ものづくり産業を盛り上げようとする気合がムンムン感じられます。
まずは記念講演会に参加してみることにします。
http://mkn.or.jp/opening.html

7月29日の午前は山梨学院大学のテスト日ですが、
終了後急いで駆けつけたいと思います。

会場でお会いしましょう。

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不足する技術系人材(2013年度版 第1章第2節2(3))

2013年7月11日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書の第1章第2節2(3)では、
技術系人材が不足する現状を解説しています。

ものづくり産業が成長しているという論調は少ないわけですが、
図122-9を見ると、技術系人材を十分確保できているのは6.7%で、
約半数の企業が、必要な技術者を確保できていないと考えています。

●図122-9 技術系人材の確保状況
技術系人材の確保状況【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

回答数は3823と相当なものですが、
訊ねる部署によって回答は大きく変わるように思います。

少しでも完成度を上げたい技術担当の部課長に聞けば、
いくらでも欲しいところでしょうし、
技術者をコストと考える経理部門、経営者であれば
あれだけいるのだから(人件費がかかっているから)
十分だろうと判断しそうです。

具体的な業務にもよりますが、
効率的なツールとプロセスを用意することで
少ない技術者と大きな成果を両立させたいものです。

近年の傾向としては、QFD、TRIZ、タグチメソッド+3DCAEが
その最右翼とされています。
http://www.monodukuri.com/jirei/article/8

また、不足している技術者の分野としては、
図122-21のように圧倒的に機械工学が多いようです。

●図122-21 人材確保しにくい技術分野
人材確保しにくい技術分野【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

ソフトウェア(情報工学)が多いと予想していましたが、
機械の15分の1とはどんなもんでしょう?
回答した1666社の業種に偏りがあるかもしれません。

私の大学時代の応用物理や
技術士の専門である経営工学は、名前すら現れず
ムムム…

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特許権の活用(2013年度版 第1章第2節2(2))

2013年7月10日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節2(2)では、
特許を通じた技術漏洩と特許権の活用状況が説明されています。

図122-17を見ると、
保有技術のライセンス供与に関して
日本企業のスタンスが特有のものであることが分かります。

●図122-17 ライセンス供与に対するスタンス
ライセンス供与に対するスタンス【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

欧米やアジアの企業はライセンス供与に積極的ですが
日本企業の8割近くは売り込み活動をしていません。

これが戦略的にノウハウを隠匿する意思によるなら良いのですが、
単なる無策の結果であれば危険な兆候です。

折角高度な自社技術を持っているのであれば、
例えば妹尾先生が名付けた「逆ハンバーガーモデル」で
ごく一部を除いてライセンスを広く供与し、
競争を避けて高い利益率を確保しながら
他社の力を利用して市場拡大を図るなど
戦略的に特許を利用したいものです。

また図122-18では3地域3様のスタンスが見えます。

●図122-18 侵害品を発見した際の対応
侵害品を発見した際の対応【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

特許を侵害された時に、
欧米企業は訴訟に持ち込むかライセンス交渉する比率が比較的高く
アジア系は基本的に穏便に済ませようとする交渉が中心です。
そして日本企業は、訴訟に持ち込むケースが極端に低く、
「何もしない」企業すらあります。

交渉が苦手な国民性と言ってしまえばそれまでですが、
折角の技術を活かせないのは
こんなところにも要因がありそうです。

ものづくり革新ナビには外国特許の専門家もいますから
相談して見てはどうでしょう?
http://www.monodukuri.com/specialists/profile/34

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戦略的な特許取得の重要性(2013年度版 第1章2節2(2))

2013年7月9日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章2節2(2)では、
戦略的な特許取得の重要性が説明されています。

図122-10を見ると、特許件数を重視している企業よりも
厳選して取得している企業の方が営業利益が増加傾向です。

●図122-10 特許取得戦略と営業利益
特許取得戦略と営業利益【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

サンプル数がさほど多くないし、分散も不明なので
有意差の判断がつきかねますが、
多くの企業で特許取得に慎重になっているという話は耳にします。

●図122-11 技術伝播の影響が強い経路
技術伝播の影響が強い経路【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

図122-11のように、
特許を通じて自社技術が外部に流出するため、
必要な特許のみ注意して出願することが
一般的になってきています。

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企業競争力の源泉である「技術・設備の維持・強化」(2013年度版 第1章2節2)

2013年7月7日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章2節2では、
企業競争力の源泉である「技術・設備の維持・強化」について解説しています。

前段のアンケート、で技術力に相当の自信を持っており、
事業競争力でも欧米韓国には互角以上の意識を持ちながらも
中国企業に対しては劣位と感じています。

その一つの要因と分析しているのが研究開発費です。
日本企業のGDP比研究開発費は
2001年のから1.4%から、2008年には2.8%まで増加しましたが、
2009年に下がり韓国に抜かれています。

また図122-4で分かるように、絶対額の指数では
日本の伸びに比較して中韓が飛躍的に増額していることが分かります。

●図122-4 企業部門の研究開発費の推移
企業部門の研究開発費の推移【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

研究開発費が伸び悩んでいるだけでなく、
図122-7で分かるように
研究開発の期間も短期的なテーマが増えてきており、
長期的な競争優位性に不安があります。

●図122-7 研究開発期間の変化
研究開発期間の変化【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

ひとつには人口減少局面に入り、
以前出てきた設備投資と同様に
市場収縮方向の国内よりも海外向けの研究開発が増えるのは、
理解せざるを得ないでしょう。

しかし、付加価値の源泉である開発が国内で減少し
短期的になっている電気機器業界は
これからかなり厳しい戦いになっていく危険性があります。

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米国の「製造業ルネサンス」の実態(2013年度版 第1章第2節コラム)

2013年6月29日ものづくり白書を読み解く

2013年度版ものづくり白書第1章第2節のコラムは、
米国の「製造業ルネサンス」の実態を解説しています。

下の図で分かるように、
中国の労働者賃金の上昇によって
米中の人件費格差は縮小し、
輸送費や管理のしやすさを考慮すれば
今や米国内の製造に競争力がありそうに思えます。

●アメリカ製造業回帰に注目が集まる背景
アメリカ製造業回帰に注目が集まる背景【技術者のキャリア設計】エンジニア・技術者・専門家・ものづくり・製造業・経営論・人材確保・キャリアアップ・キャリア形成・ものづくり.com

しかし白書では、海外拠点を米国に戻す動きが
キャタピラーやGEなど限定的であり、
もっと大規模な新規雇用が必要だと分析しています。

その原因として考えられるのは、
まず第一に、もはや中国生産はコストダウンが目的ではなく
中国そのものの巨大市場が目的であること。
第二に、近年の中国内生産量同大による習熟曲線により
中国の現場力が米国を上回っている事です。

これは他人ごとではなく、
日本も製造の現場を失って長い時間が経つと
復帰できなくなる危険性があります。

タイ洪水の際に、
タイ工場から作業者を連れてきて生産せざるを得なかった
ホンダの例が思い起こされます。

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